Skylake世代の Core mプロセッサで満足に仕事ができるのか

こんにちは。Core mのパフォーマンスが気になりだした岩崎です。

薄型軽量モデルが次々と発表されている今日この頃。よくよくスペックを見てみると、Core iではなく、消費電力が抑えられた Core mの採用が目立ちます。

コンシューマ向けでは問題なさそうですが、ビジネスシーンで活用することは可能なのでしょうか。基本性能、メモリ、グラフィックス、ベンチマーク結果の 4つの軸から、Core mプロセッサ(Skylake)の実力を比較検討したいと思います。

Skylake世代の Core mプロセッサで満足に仕事ができるのかのメインビジュアル
モバイル版として位置づけられている Core mプロセッサーファミリー。向上したグラフィック性能と 低電力設計が魅力。
普段のタスクマネージャーの様子。CPU使用率は 30%程度。

数値だけをみても判断しにくい部分もあるため、愛用 VAIO Pro 11と比較することで、その性能差を比べてみたいと思います。

搭載されているのは 2世代前(Haswell Refresh)の Core i5 ですが、以下の作業を 支障なく行えています。

仮想ウインドウを 3つ活用し、仕事, Blog, 臨時作業で使い分け。
Chromeには、常に 30~50個のタブ。100ページを超えるpptや Excel PDFを複数開きつつ、平行して Photoshopで簡単な画像編集や コーディングを実施。

主に Web界隈の方をターゲットとしていますが、同様のパフォーマンスが Core mでも出せるのであれば 充分な選択肢となりそうです。

基本性能は m5でも遜色なし

4.5Wの Yシリーズに「Core m」というブランドが付与されています。

まずは、基本仕様やパフォーマンス周りの仕様を確認。
比較対象は Core i5と、Core m全ファミリー(m7, m5, m3)。

  • 14nmプロセスの影響は大きい。これだけでパフォーマンスと消費電力の改善が見込めます。
  • キャッシュメモリ 4MBと増量。
  • 周波数も m5以上であれば現状の VAIO Pro同等以上。

アーキテクチャそのものが改善されている為、クロックあたりの命令実行数も向上しています。
同クロックでも より高いパフォーマンスを発揮できると考えれば、m5でも充分なパフォーマンスは得られそうです。

基本仕様・パフォーマンスの比較表:
Processor
Number
i5-6440HQ
i5-6300HQ
i5-6300U
i5-6200U
m7-6Y75m5-6Y57
m5-6Y54
m3-6Y30i5-4210U
(参考)
シリーズCore i5Core i5Core m7Core m5Core m3Core i5
開発コード名SkylakeSkylakeSkylakeSkylakeSkylakeHaswell
発売日Q3 2015Q3 2015Q3 2015Q3 2015Q3 2015Q2 2014
リソグラフィ14nm14nm14nm14nm14nm22nm
キャッシュ6 MB3 MB4 MB4 MB4 MB3 MB
コア数422222
スレッド数444444
周波数2.6 GHz
2.3 GHz
2.4 GHz
2.3 GHz
1.2 GHz1.1 GHz900 MHz1.7 GHz
周波数 Turbo3.5 GHz
3.2 GHz
3 GHz
2.8 GHz
3.1 GHz2.8 GHz
2.7 GHz
2.2 GHz2.7 GHz
TDP45 W15 W4.5 W4.5 W4.5 W15 W

メモリなどは各社の構成次第

Let's noteの RZ プレミアムエディションは、16GB LPDDR3と Core mクラス最高級。

次は メモリ・拡張オプションまわり。

  • メモリ帯域幅(データ転送速度)が向上。
  • PCIeレーン数が少ないですが、リビジョン数が向上しており 全体的なパフォーマンスは VAIO以上。

こちらも 一通りの項目で VAIO Proを上回っていますが、あくまでも対応範囲であるため 実際のパフォーマンスは各社の構成次第となります。

メモリ仕様・拡張オプションの比較表:
Processor
Number
i5-6440HQ
i5-6300HQ
i5-6300U
i5-6200U
m7-6Y75m5-6Y57
m5-6Y54
m3-6Y30i5-4210U
(参考)
シリーズCore i5Core i5Core m7Core m5Core m3Core i5
メモリー MAX64 GB32 GB16 GB16 GB16 GB16 GB
└ DDR421332133----
└ LPDDR3186618661866186618661333 / 1600
└ DDR3L160016001600160016001333 / 1600
└ 帯域幅 MAX34.1 GB/s34.1 GB/s29.8 GB/s29.8 GB/s29.8 GB/s25.6 GB/s
PCI Express3.03.03.03.03.02.0
└ レーン数161210101012

グラフィック機能は ほぼ一律

Photoshopの設定画面。GPUを利用することで描画速度などが向上します。

CPUのパフォーマンス以上に見逃せないのが グラフィックス性能(GPU)
GPUを利用するソフトウェアも増えてきたため、通常利用の範囲でも恩恵を受けやすく 体感速度にも大きく影響します。

  • Core mでは、一律 HD Graphics 515が採用されているため、モデルによる性能比は低め。
  • メモリ帯域幅の向上 & アーキテクチャの改善で、m5でも VAIO Pro以上のパフォーマンスは発揮できそう。

快適な VAIO Proですが、グラフィック性能に関しては 少し物足りない部分がありました。特に高解像度のモデルになる場合は、少しでも高速な m7を選択しておきたいところです。

グラフィックス性能の比較表:
Processor
Number
i5-6440HQ
i5-6300HQ
i5-6300U
i5-6200U
m7-6Y75m5-6Y57
m5-6Y54
m3-6Y30i5-4210U
(参考)
シリーズCore i5Core i5Core m7Core m5Core m3Core i5
帯域幅 MAX34.1 GB/s34.1 GB/s29.8 GB/s29.8 GB/s29.8 GB/s25.6 GB/s
HD Graphics5305205155155154400
└ 周波数350 MHz300 MHz300 MHz300 MHz300 MHz200 MHz
└ 周波数 MAX950 MHz1 GHz1 GHz900 MHz850 MHz1 GHz
└ メモリ MAX1.7 GB1.7 GB1.7 GB1.7 GB1.7 GB1.7 GB
4K サポート60Hz60Hz60Hz60Hz60Hz-
DirectX 対応121212121212
OpenGL 対応4.44.44.44.44.44.3

ベンチマークによる比較

各グラフィック性能を より具体的に比較するため、ベンチマーク結果の比較グラフを作成しました。

モバイルノート向けの グラフィックス プロセッサーは、HD Graphics 530/520/515の 3種類。それらに VAIO Proの HD Graphics 4400を比較しています。

Core mに一律採用されている HD Graphics 515でも、VAIO Proより高いスコアを叩きだしています。この値なら満足とは言いがたいですが、これが 4.5Wの TDPで実現しているところを考えれば充分な数値です。

Notebookcheckの各ベンチマーク結果をグラフ化。Core mに採用されている HD Graphics 515を 100としています。

まとめ

2in1で 999gの「YOGA 900S」も Core m7搭載。

結論としては、Core mでも パフォーマンスを落とすことなく仕事ができることが分かりました。

見劣りする項目もあると予想していましたが、全項目において VAIO Pro(2世代前の Core i)を上回っており、冒頭で記載したような業務であれば支障はなさそう。特にグラフィック面の性能アップによって、体感速度も向上すると思われます。

もちろん、爆速か?と言われれば苦しいところですが、少なくとも冒頭に記載したような業務であれば問題なし。なにより 4.5Wという TDPを活かし、コンパクトで長時間利用できるバリューに注目すべき CPUです。

尚、プロセッサ自身のパフォーマンスはあるものの、体感速度は メモリや SSDなどにも大きく影響されます。実際に搭載されるメモリ数など ハードウェア構成は充分に検討した上で購入しましょう。

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