Surface Pro X では Photoshopや Lightroomが利用できない

Surface Pro Xの発売を楽しみにしていた今日この頃ですが、そもそも Lightroom CCが動作しないことに気がつきました。

アプリケーションには、パフォーマンスを優先した 64bit版と、互換性を優先した 32bit版が存在するのですが、Lightroom CCは 64bit版しか存在しません。
Surface Pro Xでは 32bit版しか動作しない為、結果として Lightroom CCが利用できないというワケです。

ほど良いサイズに、高解像度の液晶。シンプルなデザインや、Slim Penなどの話題性。
国内での発売を楽しみにしていたのですが、主要のアプリケーションが利用できないのであれば、購入することができません…泣

Surface Pro X では Photoshopや Lightroomが利用できないのメインビジュアル
互換性を優先した x86-32bitのアプリケーションが動作する「Surface Pro X」。Photoshopや Lightroomは、パフォーマンスが優先された x86-64bitで開発されており、起動することができません。

異なるアーキテクチャが採用された CPU

ARMアーキテクチャが採用された「Microsoft SQ1」。

パソコンの一般的な CPUは、x86と呼ばれるアーキテクチャが採用されていますが、Surface Pro Xに採用されている CPU(Microsoft SQ1)は、x86互換ではありません。

Intel製の Coreシリーズや AMD製の Ryzenシリーズなど、異なる会社の CPUでも問題なく動作するためには、このアーキテクチャが x86にて統一されていることが重要になります。

しかし、Surface Pro Xには ARMと呼ばれる 異なるアーキテクチャが採用されています。

ARMベースの CPUを採用することで、薄型ながらも長時間利用できるパソコンを実現できるワケですが、その結果、Lightroom CCが利用できないという問題が発生してしまいます。

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同じく ARMベースの CPUを採用していた「Surface RT」。

ちなみに、ARMベースの CPUで、Windowsを利用しようという試みは、随分と前から挑戦されていました。
2012年に登場した Windows RTなども、そのひとつ。モバイル環境に向けた Windows CE なども存在していました。

その為、以前と比べて随分と互換性は保たれていると思いますし、だからこそ Surface Pro Xの購入を検討していたワケですが、Lightroom CCが x86-64bitのみしかサポートしていないことを失念していました。

パフォーマンスを優先する Lightroom CC

アプリケーションには、パフォーマンスを優先した 64bit版と、互換性を優先した 32bit版が存在します。

多くの CPUは 64bit化されている為、64bit版がネイティブに動作しますが、32bit版は互換モードで動作するため、その分パフォーマンスが低下することになります。

Surface Pro Xが採用している ARMベースの環境(右側)では、PhotoshopLightroomが利用できない。

x86と ARM、両方の CPUが対応しているのは、x86互換の 32bitアプリケーションのみ。
多くの場合は 32bit版が提供されているため問題ないのですが、肝心の Lightroom CCは x86互換の 64bit版のみの提供でした。

Lightroomの必要システム構成。CPU OS ともに 64bitが必須となっています。
Slackなど多くのアプリケーションは、32bit版と 64bit版を選択することが可能。

PhotoshopLightroomは、どちらも高解像度の画像を扱います。
以前は 32bit版も提供されていましたが、パフォーマンスを優先し 64bit版に集中するのは致し方ないところ。

Surface Pro Xでパフォーマンスを維持するためには、ARMベースの 64bit版(ARM64)のアプリを専用に開発しなければなりません。それを期待することは現実的ではなさそうです。

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