2002/04/19

〜  物 欲 岩 崎 の 購 入 日 記 。  〜
フラットベッドスキャナ
 EPSON GT-9700F を購入!

★ ★ ★
2001年9月中旬発売  定価52,800円
2001年9月17日(月)購入  購入価格39,800円
 GT-9700F

製品情報 : http://www.i-love-epson.co.jp/products/scanner/gt9700f/9700f1.htm


新製品を追い求めて。


ついに世代交代の時期が来たGT-8700。 趣味などでスキャナを使用するなら、400dpiあれば十分ですし、800dpiもあれば、ちょっと凝ったコトをしても十分対応できる解像度です。 ところが「解像度が高いスキャナが良いスキャナ」というイメージがある為、日に日に解像度が増していってしまい、ほとんどのスキャナが完全にオーバースペック(求められている性能を超えている)状態なんですね。

 ですから最近のスキャナを1度購入してしまえば、故障しない限りは買い換える必要は無いですし、そんなに頻繁に使用するモノでもないので、無理して高価な上位モデルを狙う必要もないと思うんです。

 しかし、毎年新しいプリンタを追いかけるなら、新しいスキャナも追いかけなくては駄目でしょうと言う理由で、最新のスキャナも追いかけてみるコトにしたワケです。 スキャナプリンタは並べて置くコトが多いので、最新モデルで揃えておくとデザイン的にもよさげですし、何事も新製品に超したことは無いですしね。

 そうして特にGT-8700が活躍する機会も無く、あっと言う間に1年が過ぎ、早くも新しいGT-9700Fが発表されました。 GT-8700の時点で確実に一般向けの使用ではなかったスキャナは、今回どのような進化を遂げたのでしょうか?

GT-8700製品情報 : http://www.i-love-epson.co.jp/products/scanner/gt8700/h_87001.htm


進化するHyperCCD。


オンチップマイクロレンズのイメージ。 定価50,000円を超える高価格設定、今までにはない優雅なデザインと、かなり思い切ったコトをヤッちゃっている感じですが、最大のウリは何と言っても新開発のα-HyperCCDでしょう。

 高解像度のスキャナを作成するには、より密度の高いCCDを作成する必要があるんですが、密度を高くするとCCDのサイズが小さくなってしまい感度が悪くなってしまうんですよね…。

 もちろん、CCD自体を大きくする方法もあるんですが、CCDにあわせて光学系を大きくする必要があるので、スキャナの大きさも大きくなってしまう他、膨大なコストもかかってしまうんです。

 そこでEPSONは、各色のCCDを2列ずつ配置したHyperCCDを開発。
 2列のCCDを1/2画素分ずらして千鳥状構造にするコトで、CCDを小さくするコトなく高解像度と低コストを実現しました。

 しかし、この方法でもより高解像度になればCCDのサイズが小さくなってきてしまい、感度が悪くなってしまいます。 特に2,400dpiともなると、1画素の大きさは約4ミクロン四方(0.004mm)にもなるので、さらなる改良が必要だったんですよね。

 その為、α-HyperCCDでは、なんと61,200個もあるセンサー1つ1つにオンチップマイクロレンズを搭載(左上図)
 凸レンズのようなオンチップマイクロレンズを搭載するコトによって、センサーの中心に光を集中させるコトができるので、小さなCCDでも高感度を実現できるようになったワケです。

 また、感度が高くなれば、それだけノイズの発生も押さえられるし、読みとり速度を向上させるコトもできる為、GT-9700Fは2,400dpiという高解像度で、今まで以上の低ノイズと高速性を実現したワケです。


空気感までもを取り込む高機能。


USB2.0のケーブルとロゴ。 進化したα-HyperCCDの機能を最大限に引き出す為に、CCD以外の部分も様々な工夫がされています。

 その1つが、GT-8700から搭載され始めたビルトインA/Dコンバータの搭載。
 従来のスキャナは、取り込んだアナログ信号を、メイン基盤にあるA/Dコンバータで、デジタル信号に変換するのですが、アナログ信号は非常にノイズの影響を受けやすいの信号なんですよね。

 そこでA/Dコンバータを、と同じ基盤に配置(ビルトイン化)するコトで、素早くデジタル信号に変換できるようになり、より低ノイズな画質を実現するコトができました。

 また、入出力色数も合計48bit(各色16bit)になり、α-HyperCCDが取り込んだデータをより忠実に再現するコトが可能になりました。
 48bitというコトは、2の48乗なので、なんと281,474,976,710,656色で読み取るコトになり、まさに空気感までもをとらえるスキャナに進化したのです。

 もちろん、ディスプレイで表示できる色数は65,536色程度なので、こんなに多くの色数で取り込む意味は無さそうなんですが、色調補正などをした場合に色が抜けてしまうのを防ぐなど、編集などをする場合には、より多くの色で取り込んでおいた方が良いんですよね。

 その他にも、画像処理プロセッサであるHyperプロセッサも、GT-9700F専用にカスタマイズされ、さらなる高速化を実現。
 さらに、その高速性能をよりいっそう発揮する為、IEEE1394USB2.0といった、最先端のインターフェースが採用されるなど、まさにハイエンドモデルに相応しい豪華なスペックになっているんです。


予想以上の高性能!


優香の唇でモアレ除去の効果を比較。 具体的な発売日が発表されていなかったので、入荷してから3日も経ってからの購入となってしまったのですが、ついにGT-9700Fを購入し、早速セットアップを開始。

 セットアップと言っても、そんなに難しいコトをするワケでもなく、あっと言う間に終了。 説明書も図説で丁寧に書いてあるので、特に迷うコトなくドライバのインストールが完了しました。

 そして、さっそく手元にあった雑誌を取り込んでみたところ、思っていた以上に高画質だったんですよね。

 もちろん、これだけの機能を備えているワケですから、画質が良いのは当たり前なんですが、GT-8700の時点で満足の行く画質を実現していたので、特に違いは感じられないだろうと思っていんです。

 ところが、実際に取り込んだ画像は体感できる程の違いがあり、GT-8700との違いは解像度だけじゃないというコトを痛感させる画質でした。

 さらに、雑誌などを取り込んだ際に発生するモアレを除去する機能も、わずかに向上しているコトが判明。
 GT-8700でモアレ除去を行うと、全体的にボケた感じになってしまうんですが、より自然にモアレ除去が可能になっている感じです(左上図:下がモアレ除去機能ON)

 読み取り速度の方も明らかに違いがあり、プレビューする速度なども結構高速でした。

 また、何度か使っているうちに電源を入れてから使用できるまでのウォーミングアップ時間も非常に短縮されているコトが判明。 細かい部分ですが、必要なときにスグに使えるというのは、本当に便利ですね。


USB2.0でさらなる高速化。


adaptecから発売されたDUO CONNECT(AUA-3121)。 画質に加えて、読み取り速度も向上したGT-9700Fですが、USBでは転送速度が足りず、取り込んだデータの転送が終わるまでスキャナが待っているコトが多いんですよね…。

 これは、GT-8700の時から感じていたコトなんですが、GT-9700Fになり、よりもたつきを感じるようになったので、USB2.0のインターフェースボードの購入を検討するコトにしました。

 スキャナUSB2.0に対応したというコトは、これから発売されるプリンタも対応する可能性が高いので、そろそろUSB2.0を導入しておく価値はあると思ったワケです。

 そんな時、adaptecから新しいインターフェースボードDUO CONNECTが登場!(左上図)
 USB2.0を4ポートも搭載し、IEEE1394も3ポート搭載しているという究極のコンボカードで、かなり魅力的な製品だったんです。

adaptecから発売されたDUO CONNECT(AUA-3121)。 そこで、さっそくDUO CONNECTを購入し、USB2.0で接続してみたところ、なんと2倍以上も読み込み速度が向上しました!
 A4サイズの原稿を800dpiで3回読み込み、その平均で計測したんですが、USB1.1では4分05秒もかかったのに対して、USB2.0では、なんと1分39秒で読み込みが完了したのです!!(右図)

 高解像度になればなる程、取り込み時間に違いが出てきますし、高速性を発揮できなければGT-9700Fを購入する価値が半減してしまいますから、予算に余裕のある人なら、本体と一緒にUSB2.0のインターフェースカードの購入するコトをオススメ致します。

 ちなみにUSB2.0では、USB1.1のハブは使用するコトが出来ないので、購入する際はUSB2.0対応のハブの購入も考えておきましょう。

DUO CONNECT製品情報 : http://www.adaptec.co.jp/usb/duoconnect.html


完全に飽和状態のスキャナ。


標準セットでフィルムスキャナとして使用できるGT-9700F。 2,400dpiという高解像度で読みとると、葉書サイズの原稿でも約9,500×14,000ピクセルという、とんでもない大きさになってしまう為、あんまり使用価値が無いんですよね。

 そこで、ネガ・ポジフィルムなどの反射原稿を読みとるコトができる透過原稿ユニットが標準で付属しています。
 透過原稿ユニットさえあれば、GT-9700Fをフィルムスキャナとして使用するコトができるんですよね。

 コンパクトカメラなどの一般的なカメラ使用されているフィルム(135タイプ)は、1コマ35×24mm程度の大きさしかないので、2,400dpiで取り込んでも、3,300×2,200ピクセル程度にしかならず、高解像度が十分に活用できるんです。

 しかし、僕はカメラを1個も持っていないので、フィルムが1枚もなくサッパリ活用する機会が無いですね。(^x^;
 じゃぁGT-8200Uでも良いじゃん!って感じなんですが、α-HyperCCDを搭載しているのはGT-9700Fだけだし、何事もデザイン重視と言うコトで購入しちゃいました。

 でも、これから発売される上位モデルのスキャナには、当然のように透過原稿ユニットが標準装備される可能性は高いですね。

 これ以上解像度を向上させても大きなセールスポイントにもなりませんから、デザインを変えたり、様々なオプションを付属して行くしかないでしょうし、次回のスキャナがどんな機能を搭載してくるのか、検討もつかない感じです。

 ですから、もしかすると来年はスキャナを買い換える必要はないかも知れません。
 画期的な変更が無い限りは、解像度くらいしか変わらないと思いますし、これだけ存在感のあるデザインは他に無いですから、数年くらいは使えるんじゃないかと思います。

GT-8200U製品情報 : http://www.i-love-epson.co.jp/products/scanner/gt8200u_uf/8200u_uf1.htm

EPSON GT-9700F総合評価。
内容ポイントコメント
デザイン★★★★汚れやすく傷つきやすいという問題があるものの、今までには無い感じのデザインで全体的には好印象。上部にある小さなエンブレムもよさげです。
話題性★★☆☆☆細かい変更はあるものの、デザイン以外目立った変更が無く話題性はイマイチかも知れませんね…。ただUSB2.0はポイントかも。
機能★★★★透過原稿ユニットを搭載しているので機能性は高いと思いますが、他のモデルにもオプションで透過原稿ユニットはあるんですよね…。もちろん画質の方は満足レベル。
操作性★★★★簡単な取り込みなら全自動モードでOK。特に使いにくいという部分も無く、操作に戸惑う部分はありませんね。
価格★★★☆☆スキャナに4万円は、ちょっと高いかも知れないけど、透過原稿ユニットが付属ならこんなもんでしょうか?
総合評価★★★☆☆平均点数3.4点。フィルムスキャナとして使用するなら購入してみる価値はあるかも知れませんが、すべては予算次第って感じです。

GT-9700Fの為に購入した周辺機器一覧。
メーカー名称型番価格(税込)
EPSONColorioScannerGT-9700F41,790円
adaptecDuoConnectAUA-312114,679円
合計2点 56,469円

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