角。 2002/08/29
〜 物 欲 岩 崎 の 購 入 日 記。 〜
新世代総合開発環境
Microsoft VisualStudio.NET を購入!
製品画像
★ ★ ★
2002年4月19日(金)発売  定価24,800円
2002年7月1日(月)購入  購入価格22,800円

製品情報 : http://www.microsoft.com/japan/msdn/vstudio/default.asp

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VisualBasicの限界。
参考画像。  VisualBasicという言葉は、あまり聞きなれない言葉かも知れませんが、簡単に言えばソフトウェアを作成する為のソフトウェアです。 もっと簡単に言ってしまえば、RPGツクールみたいなモンですね。

 僕は、このVisualBasicを利用して、フォント一覧印刷君などのフリーソフトを作成しているんですが、作成するソフトが多機能になるにつれてVisualBasicの限界を感じるようになりました。

 VisualBasicは、簡単に覚えられる反面、高度なプログラミングができないという欠点があったんですよね。

 その為、より高度なVisualC++などを覚えようと思っていたのですが、難しくてとても習得できるものではありませんでした…。
 VisualC++4.0を始め、5.06.0…と、新しいバージョンが発売される度に購入し、その度に挑戦していたのですが、とても独学で勉強できるレベルでは無かったんですよね。

 そうして、結局VisualBasicを使い続けるコトとなり、C言語の勉強は諦めかけていたその時に、C#という新しい言語が登場してきました。

 どうやらC#というのは、VisualC++を基にして作成された新しい言語らしいのですが、VisualBasicのように手軽に作成できるコトができるらしく、より習得しやすくなっているみたいなんですよね。

 それは、まさに自分が求めていた感じの言語ですし、丁度プログラムに燃えていた頃だったので、C#がかなり気になる存在になってきました。
しまった!CD-Rドライブも欲しい!
参考画像。  C#をやるには、単純にVisualC#.NETを購入すれば良いのですが、タイミングの悪いコトに、ちょうどYAMAHAから魅力的なCD-Rドライブが発売される時期だったんですよね。

 CD-Rはデータを記録すると(レーザーをあてると)色が変わるのですが、その特性を利用して、なんと記録面に絵が描けるという素晴らしいCD-Rドライブなんです(左図)

 その為、どちらを購入するか本当に悩んでいたのですが、C言語を習得できれば将来の為にもなるし(C#=C言語ではありませんが)、よりフォント君の進化を夢見てVisualStudio.NETの購入が決定! 友達に借金をしてまでVisualStudio.NETを購入してきました。

 ちなみに、VisualBasic6.0以外に使えるモノは無かったので、VisualStudio.NET全体の購入日記と言うよりも、VisualBasic6.0と比べてという感じになると思います。
ココが魅力!
ブロックがたためちゃう!
参考画像。  VisualStudio.NETでは、IFやFor、Subなどの各ブロックを、前にある十字マークをクリックするコトでたたむコトができます(左図)

 その為、既に完成されている部分や、滅多に編集しない部分などを隠すコトができるので、そこそこ便利です。

 …ただ、どこまで隠されるかが分かりにくいし、キャレットの位置によっては表示位置が変わってしまうので、使いこなすには少々慣れが必要なんですよね…。

 また、#region〜#endregionを利用すると、自由に折りたたむ位置を指定するコトができますが、VisualBasic.NETでは、利用できる位置が限定されているみたいです。
豊富な多機能コントロール!
参考画像。  VisualStudio.NETでは、標準で様々なコントロールを利用するコトが可能なので、より凝ったウインドウも簡単に作成するコトが可能になりました(左図)

 もちろん、VisualBasic6.0でもコンポーネントなどを追加すれば、様々なコントロールを利用するコトが可能なんですが、作成したアプリケーションの他にOCXなどを配布する必要があったんですよね。

 しかし、VisualStudio.NETではアプリケーションの他に特別なファイルを配布しなくても、リッチテキストやコモンダイアログなどのコントロールを利用するコトが可能みたいです。

 さらに、タスクトレイにアイコンを表示する為のコントロールや、ドッキングウインドウを作成する為のコントロールなどもあり、コントロールを貼り付けるだけで、高度な処理も実現するコトが可能なんですよね。
充実したプロパティ項目!
参考画像。  コントロールに加えて、プロパティ項目も非常に充実していて、これまで難しいプログラムをかかなければならなかった処理も、プロパティ変更だけで行えるようになりました。

 つねに最前面に表示するとか、ウインドウを半透明化するとか、ウインドウの最小サイズを指定するとか、ウインドウを移動できなくするといったコトが、プロパティの変更だけで行えるようになったんです。

 特に、ウインドウのサイズに合わせてコントロールサイズや位置を変更できるのは最高!

 ウインドウサイズのサイズに合わせてコントロールを移動する作業は、簡単そうに見えて意外に面倒な処理なので、プロパティの変更だけで実現できるのは非常に便利なんですよね。
C#だけじゃない共通のランタイム!
参考画像。  作成したソフトを実行させるには、ランタイムと呼ばれるモノが必要で、VisualBasicにはVisualBasic用のランタイムがあり、VisualC++にはVisualC++用のランタイムが必要でした。

 しかも、バージョンごとにランタイムが異なるので、例えVisualBasic4.0用のランタイムを持っていたとしても、VisualBasic6.0で作成したソフトは動作しなかったんですよね。

 おかげで、ランタイムというのは、ソフトウェアを配布する上で非常に面倒なモノだったのですが、C#ランタイム.NET Frameworkと呼ばれるモノになり、総合されたランタイムとなりました。

 その為、.NET Frameworkを導入していれば、C#だけではなく、VisualBasic.NETで作成したソフトも動作するようになります。

 さらに、.NET Frameworkは、WindowsXPのServicePack1以降のWindowsに、標準で搭載されるらしいので、結果的にランタイムが不要というコトになるんですよね。

 ただ、総合されているだけあって、.NET Frameworkの容量が21MBもあるのが問題なんですよね…。
変数にプロパティがある!
参考画像。  正しい言葉がわからないので、綺麗な説明ができないのですが、C#では、変数などもオブジェクトとして扱うコトが可能です。

 つまり、という変数にも、という変数にも、すべてにプロパティが存在し、プロパティを参照するだけで様々なコトが行えるワケです。

 例えば、『あいうえお』という文字列が代入されているという変数があった場合、x.Lengthを参照すると、文字数である5を取得するコトができるんです(左上図)

 他にも、数値などを扱う変数から文字列を取得する為の、ToStringメソッドや、すべて大文字に変換した文字列を取得する、ToUpperメソッドなどがあり、これが思った以上に便利なんですよね。

 中には最後の文字列が、指定した文字列と同じか?などを判断するモノもあり、この部分だけでもC#にハマってしまう感じです。
文法エラーがあっても中断されない!
参考画像。  VisualBasic6.0では、スペルミスなどの文法エラーがあると、毎回エラーメッセージが表示され、調子に乗っていたリズムを中断されてしまうコトが多々ありました。

 しかし、VisualStudio.NETでは、エラーメッセージが表示されなくなり、下線でさりげなく文法エラーを教えてくれるようになりました(左上図)

 その為、ガンガン打ち込んで、ガンガン間違っても、面倒なエラーメッセージは表示されず、後からゆっくり修正するコトが可能です。

 また、下線が表示されている部分をポイントすれば、エラーの原因が表示されるようになっています。
すべてが総合された開発環境!
参考画像。  これまで、VisualBasicVisualC++などは、別々のソフトで作成していたのですが、VisualStudio.NETでは、すべて同じ環境で作成できるようになりました(左図)

 その為、様々な言語もスムーズに扱うコトができるし、これまでのVisualBasicには無かったマクロ機能なども利用するコトが可能です。

 ただ、様々な言語を利用しない人にとっては、余計な機能が増えたので使いにくいと言う問題もあるんですよね…。
小さな魅力!
 ・エディタの使いやすさが向上している!
ココがイマイチ。
実行までが遅い…。
参考画像。  これまでのVisualBasic6.0などは、実行を押せば瞬時に実行するコトができたのですが、VisualBasic.NETは、実行するまでに10秒近くかかります…。

 VisualC++ユーザーなどは今までもそんな感じだったので、そんなに違和感はないとは思うのですが、VisualBasic6.0ユーザーにとって、この時間は長いと思います。

 特に、僕はこまめに実行して、出来上がりを確認するタイプなので、毎回毎回10秒近く待たされるのはかなり苦痛です…。

 まだウインドウしか作成していないのに、10秒近く待たされる状態なので、より本格的なプログラムを作成したら10秒以上かかる可能性もありますし、頻繁に実行している人は、プログラムスタイルを変更する必要がありそうですね。

 また、僕の環境が悪いのか、稀に起動に失敗して、なかなか実行できないコトがあるんですよね…。
ファイルの保存は絶対。
参考画像。  これまでのVisualBasicなら、とりあえずプログラムを始めて、必要に応じて保存するといったコトが可能だったのですが、VisualBasic.NETではファイルの保存が絶対となりました。

 その為、とりあえず始めるにしても、イチイチ保存名を設定しなくてはならないし、ちょっとしたテストでも複数のファイルが作成されてしまいます。

 一応、保存先を事前に設定できるので、なんとか我慢できる範囲なんですが、作成したプロジェクトをVisualBasic.NET上で削除できないのが不便なんですよね…。

 おかげ、テストなどが終わってファイルが不要になった場合や、開発を断念してしまった場合などは、イチイチエクスプローラなどで作成したプロジェクトファイルなどを削除する必要があります…。

 その為、事前にテスト専用のプロジェクトを作成しておくと便利かも知れませんね。
全体的に重いッス。
参考画像。  総合された開発環境が悪いのか、様々な機能が盛り込まれた為かは判りませんが、VisualStudio.NETは、全体的にかなり重い感じです(左図)

 起動はもちろん、ウインドウの切り替え時などがサクサクと行きませんし、久しぶりにVisualBasic6.0などを利用したら、あまりの軽さに驚くコトもありました。

 僕のパソコンは、1GHz+512MBという環境なので、そんなに遅い方ではないと思うのですが、快適にソフトウェアを開発したいなら、より高いスペックのパソコンを利用した方が良いかも知れません。
実行速度が遅いです。
参考画像。  C#は、完全な実行形式のアプリケーションが作成されず、Javaと同じように中途半端なアプリケーションが作成されます。

 その為、C#で作成されたアプリケーションを実行する際には、毎回JITコンパイラと呼ばれるモノで変換しながら実行する必要があります。

 こうするコトで、特定のCPUに依存しないアプリケーションを作成するコトができるらしいのですが、おかげで随分と実行速度が低速になってしまいました。

 その実行速度は、体感できるほどの低速さで、VisualBasic6.0で作成したアプリケーションと比べても、起動時間などに明らかな違いが見られます。

 しかし、Microsoftさんが言うには、結果的にこの方法の方が高速に実行できるんだそうです。
 具体的な理由は判りませんが、今はMicrosoftさんの言葉を信じて、C#が高速になるコトを祈りましょう。

 また、何が悪いのか、VisualBasic.NETで作成したアプリケーションも、VisualBasic6.0と比べると、けっこう低速な感じです。

Lunaに対応していないウインドウデザイン。
参考画像。  WindowsXPでは、Luna(ルナ)と呼ばれる新しいインターフェースが採用され、かなり良い感じのウインドウデザインになりました。

 さすがに、MacOSAquaほど格好良いデザインではないのですが、これまでのWindowsと比べれば、かなり綺麗なインターフェースです。

 しかし、すべてのソフトにLunaが採用されるワケではなく、対応しているソフトのみにLunaが適用される為、けっこう中途半端な感じなんですが、残念なコトにVisualStudio.NETも、Lunaに対応していませんでした…(左上図)

 表向きのデザインはフラットな感じになっているし、WindowsXPが発売されて半年が経つし、ましてやMicrosoftの製品なので、対応していて当然だと思っていたのですが、どうやらその読みは見事にハズれていたみたいですね。
小さなイマイチ。
 ・プロパティの項目がすべて英語なので解りにくい(説明は日本語です)

 ・色々と細かいウインドウがちらばっているので、しっかりと整理しないとかなり邪魔。

 ・Academic版のみライセンス認証が必要。

 ・ヘルプがみにくい。使用例のコメントが英語なので、わかりにくい。

 ・エディタで漢字などの再変換が行えない。

 ・同じVisualBasicでも、これまでのVisualBasic6.0とは全然違う。
VisualStudio.NETのまとめ。
参考画像。  始めのうちは、C#をやるぞ!と気合が入っていたのですが、もともとプログラムセンスの無い自分には、かなり難しい言語でした…。

 大文字小文字が区別されるし、型の管理が厳しいし、文の最後にはセミコロン(;)をつけなくてはならないなど、VisualBasicに慣れすぎていた自分には、そういった普通の制約さえも煩わしかったんですよね。

 そこで、VisualBasic.NETをやってみたりしていたのですが、VisualBasic6.0との違いは凄まじいモノで、VisualBasic.NETさえも、サッパリ扱うコトができませんでした(左上図)

 非常に簡単なプログラムを書いているハズなのに、何かしらエラーが出る状態で、まったく別の言語を扱っているような感じだったんですよね。

 それに、なぜかVisualBasic.NETでは、タブの動きがおかしかったので(バグ?)、やっぱりC#に挑戦するコトになり、夏休みというちょうど良い時期にも恵まれて、いつのまにかC#でプログラムするのが楽しくなってきました。

 最初は煩わしいと思っていた大文字小文字などの区別も、逆に区別された方が良いと思えるほど、すっかりC#にハマってしまったんですよね。

 確かに実行速度が遅いんですが、コントロールやプロパティが非常に充実しているので、コントロールを配置するだけで高度なアプリケーションを開発するコトができますし、もうVisualBasic6.0には戻れないかな?という感じです。
次回作への要望。
参考画像。  頻繁にバージョンアップされるモノではないので、次回作といっても1年以上も先の話になるとは思うんですが、とりあえず今度こそはLunaに対応したウインドウデザインにして欲しいですね。

 また、VisualStudio.NET上で、プロジェクトの削除や、名前の変更、移動やコピーなどもできるようになると便利だと思います(左図)

 そして全体的な処理速度や、実行速度が改善されるコトを願いたいですね。

 開発環境が低速なのは、新しいパソコンを購入するなどして改善できると思うのですが、アプリケーションを配布しているユーザーには、新しいパソコンを購入してもらうワケには行きませんからね…。

PEG-NR70Vの総合評価。
項目 評価 コメント
デザイン ★★ 期待していただけに、Lunaに対応していなかったのは非常に残念です。
機能 ★★★★★ 総合された開発環境や、ブロックを折りたためるエディタ、より詳細に表示されるようになったツールチップなど、機能はかなり充実しています。
操作性 ★★★ こまごまとしたウインドウが沢山出てくるし、全体的にフラット過ぎてボタンの位置がわからない時もあるので、慣れるまでは時間がかかりそうな感じです。
価格 ★★★ 通常は8万円くらいする製品が、学割で2万円弱になるのですから、どう考えてもお得。ただ、これらを使いこなせないと何の意味もありません…。
自慢度 ★★ 何かと注目の.NETなので、そこそこ自慢は出来ると思いますが、ソフトを開発している人じゃないとサッパリ自慢できません。
総合評価 ★★★ 平均点数3.0点。 すべての機能を使いこなせるなら買いですが、使いこなせないのであれば単品で購入した方が無難かも知れません。
VisualStudio.NETのために購入した関連商品一覧。
メーカー 名称 型番 購入価格 税込価格
Microsoft VisualStudio.NET Academic 22,800円 23,940円
技術評論社 VisualC#.NET基礎300の技 2,680円 2,814円
合計 2点
25,480円
26,754円

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