悩ましい Xマウントレンズの選択肢。
35mm(換算53mm相当)の場合、「XF35mmF1.4 R」と「XF35mmF2 R WR」と、同じ焦点距離で 2つのレンズが販売されています。
今回は 同じ場所を それぞれのレンズで撮影してきたので、その比較結果を掲載します。
プロの写真家ではないので イケてる構図ではありませんが、2つのレンズに悩んでいる方のご参考になれば幸いです。
作例
カメラは X-E3。三脚を利用し、同じ f値で撮影。ISO値や シャッタースピードは、可能な範囲で合わせています。
ページが重すぎる関係で、ページ上の JPEGはリサイズのみ実施。それぞれオリジナルデータ(JPEG)も置いてあります。
また、同じ 35mmですが、近距離撮影の場合は微妙に画角が異なります。レンズ構成が大きく異なるため、この辺りはご了承ください。
* XF35mmF1.4 R : ISO400 35mm f/2.0 1/450s オリジナルデータ(JPEG)
* XF35mmF2 R WR : ISO400 35mm f/2.0 1/480s オリジナルデータ(JPEG)
F1.4は全体的に柔らかく、ボケも左奥のビルや 右奥の木の表現が大きく異なります。
対する F2は、新しいレンズだけあって解像度は良好。ソフトに撮るか、シャープに撮るかで選択が分かれそう。
* XF35mmF1.4 R : ISO200 35mm f/2.0 1/3500s オリジナルデータ(JPEG)
* XF35mmF2 R WR : ISO200 35mm f/2.0 1/3500s オリジナルデータ(JPEG)
背景が抜けない場合、あまり差がない印象ですが、いかがでしょうか。
* XF35mmF1.4 R : ISO400 35mm f/2.8 1/1700s オリジナルデータ(JPEG)
* XF35mmF2 R WR : ISO400 35mm f/2.8 1/1700s オリジナルデータ(JPEG)
* XF35mmF1.4 R : ISO400 35mm f/2.0 1/150s オリジナルデータ(JPEG)
* XF35mmF2 R WR : ISO400 35mm f/2.0 1/120s オリジナルデータ(JPEG)
どちらも 円形絞りですが、F1.4は 7枚、F2は 9枚。スペックでみると F2の方が優秀。枚数の差が ボケの形にも出ています。
ただし、ボケの形よりも 周辺の歪みの方が目立つ他、文字の輪郭に色収差が出ていることを踏まえると、総合的には F1.4の方が優秀です。
* XF35mmF1.4 R : ISO200 35mm f/2.8 1/170s オリジナルデータ(JPEG)
* XF35mmF2 R WR : ISO200 35mm f/2.8 1/250s オリジナルデータ(JPEG)
右奥の窓の表現にも違いが出ています。
販売価格が高いだけあって F1.4の方が、光の捉え方が上手ですね。光彩拡散のようなイメージ。
* XF35mmF1.4 R : ISO400 35mm f/2.0 1/300s オリジナルデータ(JPEG)
* XF35mmF2 R WR : ISO400 35mm f/2.0 1/450s オリジナルデータ(JPEG)
一見 F2の方が解像しているように見えますが、白いオブジェクトの周辺など F2側の色収差が気になります。
* XF35mmF1.4 R : ISO400 35mm f/2.0 1/850s オリジナルデータ(JPEG)
* XF35mmF2 R WR : ISO400 35mm f/2.0 1/640s オリジナルデータ(JPEG)
背景をみると、特性の違いが良く分かります。
F2は解像度は高めですが、F1.4の方が 窓のフレームが感が薄れ柔らかい印象。屋外でポートレートを撮影が多い場合は、やはり F1.4が最適だと感じられます。
* XF35mmF1.4 R : ISO400 35mm f/2.0 1/3000s オリジナルデータ(JPEG)
* XF35mmF2 R WR : ISO400 35mm f/2.0 1/2900s オリジナルデータ(JPEG)
少し気になる、F2側の歪み。
僅かですが、ソーサーや テーブルの木目に 糸巻き型の歪みが出ています。
F1.4は 球面収差を極力抑えている設計というだけあって、キレイに描画されています。
* XF35mmF1.4 R : ISO200 35mm f/2.0 1/4000s オリジナルデータ(JPEG)
* XF35mmF2 R WR : ISO200 35mm f/2.0 1/4000s オリジナルデータ(JPEG)
F2の方が輪郭が残りやすいので、ブツ取りが多い場合は、F2でも問題なさそう。
左手前の玉ボケは、ダントツ F1.4の方がキレイです。
* XF35mmF1.4 R : ISO200 35mm f/2.0 1/4000s オリジナルデータ(JPEG)
* XF35mmF2 R WR : ISO200 35mm f/2.0 1/4000s オリジナルデータ(JPEG)
奥の窓のフレーム。
F1.4では直線ですが、F2では大きく湾曲しています。
* XF35mmF1.4 R : ISO200 35mm f/2.0 1/420s オリジナルデータ(JPEG)
* XF35mmF2 R WR : ISO200 35mm f/2.0 1/500s オリジナルデータ(JPEG)
* XF35mmF1.4 R : ISO200 35mm f/2.0 1/680s オリジナルデータ(JPEG)
* XF35mmF2 R WR : ISO200 35mm f/2.0 1/750s オリジナルデータ(JPEG)
* XF35mmF1.4 R : ISO400 35mm f/2.0 1/550s オリジナルデータ(JPEG)
* XF35mmF2 R WR : ISO400 35mm f/2.0 1/550s オリジナルデータ(JPEG)
F1.4は なだらかにボケていき、F2は ストンと落ちていく印象。
合焦している点のキレは F2が高いことも相まって、F2の方が立体感が出る傾向にあります。
* XF35mmF1.4 R : ISO320 35mm f/2.0 1/60s オリジナルデータ(JPEG)
* XF35mmF2 R WR : ISO320 35mm f/2.0 1/60s オリジナルデータ(JPEG)
まとめ
いかがだったでしょうか。
どちらも開放よりの撮影でしたが、解像度の高さは目を見張るものがありますね。開放から使えるレンズこそが、XFレンズの素晴らしさだと改めて実感しました。
それぞれに個性がありますが、あえて違いを出すならば、ポートレートの F1.4、ランドスケープの F2。
F1.4は全体的に柔らかく、明るめの色が得意。ポートレートに最適と言われることも納得です。F2は 解像度が高く、防塵防滴 & 軽量の特長を活かし、ランドスケープの撮影に向いていると感じます。
ちなみに、岩崎は XF35mmF1.4 Rをメインで利用しています。
RAWで撮影することが多いのですが、Lightroomが 多くの FUJIFILMのレンズをサポートしていないため、F2の場合は 歪曲収差を手直しする必要があります。
その点、F1.4は球面収差が極力抑えられていることもあり、RAWメインで撮影する場合は F1.4を持ち出すことが多いです。
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