PC 購入レビュー
クリエイティブ仕様だが クリエイター向けではない DELL New XPS 13 2-in-1

こんにちは。DELL New XPS 13 2-in-1 (7390) を愛用している岩崎です。

仕事が忙しくなりそうなのでハイスペックなパソコンを購入。カメラなどの趣味用途にも利用したかったので、大幅にグラフィック機能が強化された Ice Lakeを搭載したパソコンを選択しました。

DELLの中ではハイレンジに属するXPSシリーズ。今回は、その最新モデルの最上位モデルを購入。Surface Pro 7が類似したスペックですが、4K液晶と 32GBメモリにコダワリが無ければ 強くSurfaceを推奨します。

購入してから毎日のように持ち歩いていましたが、あっという間に 1ヶ月以上が経過。大まかな個性が見えてきたので、使い込んた感想をまとめてみました。

クリエイティブ仕様だが クリエイター向けではない DELL New XPS 13 2-in-1のメインビジュアル
11/26 到着予定でしたが、11/20の朝に到着。予定通りに届かないと定評のある? DELLでしたが、予定日よりも早く届くという奇跡に見舞われ、無事にゲットすることができました。

指揮者不在のハイスペックマシン

細かいレビューは後半に記載するとして、総括としては「良くも悪くも DELLらしいパソコン」です。

例えるなら、指揮者不在のオーケストラ
薄型の筐体、美しい液晶、高速なCPUと、それぞれの部品は高い品質だとは思うのですが、それを組み合わせた時の調和が取れていません。

それぞれのパーツが一枚岩として動作しておらず、利用するたびに細かい不都合を感じます。

ハードウェアとソフトウェアが共に作りこまれ、一体感を感じられる Surface Pro 7

同じく Ice Lake搭載の Surface Pro 7がありますが、このあたりの一体感(作り込み)に、大きな差があると感じます。

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上の記事に比較表がありますが、4K液晶と 32GBメモリが不要であればSurface Pro 7のほうが満足度は高いでしょう。

それぞれのスペックは確実に満たしているハズなのですが、全体を通した世界観がない。クリエイティブ用途としては、確実に Surfaceに分があるように感じます。

価格も安く、コンパクトで軽量。量販店でも購入できることを考えても、無理に New XPS 13 2-in-1を選択する必要性は感じられません。

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多くが失敗する Surface Go と 満足できる唯一の条件のメインビジュアル

細かなレビュー

各パーツのポテンシャルをフルに活かしきれない New XPS 13 2-in-1
それでも検討を進めている方に向けて、細かな良し悪しも記載しておきたいと思います。

綺麗な化粧箱に入った「New XPS 13 2-in-1」。MacBookのような Apple製品を彷彿させます。

😕 表向きは良いが裏側に隠れるチープ感

包装時に巻き込まれてしまったのか、開封時から端が曲がってしまっているマニュアル。

シックな化粧箱で届く New XPS 13 2-in-1ですが、説明書の端が折れているなど、節々で DELLらしさを感じます。

外装は良いのですが、キーボードはペチペチしており、感触やタッチ音も快適とは言い難い。
ピーク時は 2つのファンが稼働しますが、あまり心地よい音でもありません。最高速ともなると、なにかに当たっている異音すら感じます。
裏側に貼ってある Windowsのエンブレムも、斜めになっていました。

全体を通してフィーリングの悪さが目につき、細かいところで工業製品であることを感じさせます。
DELLらしい点なので、あまり神経質にならないほうが幸せです。ただ、XPSシリーズに関しては Appleライクなイメージを持たせているだけに、看過できない部分も出てくる可能性は否めません。

😄 大容量メモリで とにかく速い!

本当に速い Lightroomへの取り込み。取り込み中も普通に作業できるのも便利すぎる!

直前に利用していた PCは Core i7 & 16MBの ThinkPad X1 Carbon (2018)
そこまで低速なモデルではないですが、それでもスペックの良さをヒシヒシと感じます。

年々立ち上げに時間がかかるようになった PowerPointなどの Office系も苦にならず、Adobe Acrobatもサクサク起動。

これまでボトルネックになっていた写真の取り込みも、あっという間。本当に速い。
700枚以上の RAWデータを、わずか 10分程度で取り込み、クラウドへの同期もほどなく完了。撮影の後は、取り込みに非常に多くの時間を割かれていましたが、これまでの時間はなんだったのか。
 

YouTubeを観ながら、Adobe Photoshop、Lightroom、Illustratorを並行して利用している状態でも、CPUは 15%未満。メモリも充分すぎる空きがあります。

新しいパソコンなので当然の結果ではありますが、余裕のあるメモリ量の恩恵も大きいです。
Surface Pro 7ではなく New XPS 13 2-in-1を選択した理由も、32GBのメモリが選択できたから。

豊富な大容量メモリのおかげで、複数のアプリ起動にも余裕があり、並行作業に支障がありません。
Photoshopや Lightroomなどを同時に起動しても、メモリスワップしている様子もありませんし、300以上のプロセス数でも動じる様子がありません。

従来であれば難しかった、写真の取り込み中の作業も難なく行え、時間の有効活用率が高まる高まる。これだけで 30万円の価値がありました。

😄 過度な期待は注意だが モバイルPCとしては高品質の液晶

高画質の液晶、チューニングされた高音質、高速通信を掛け合わせた「DELL CINEMA」とやらに対応。

4Kの高解像度、500nitの高輝度、DCI-P3 90%の高広色域。
タッチ機能はもちろん、反射防止コーティングに 高い画面占有率、そしてブルーライト削減機能付き。

幅 300mm以下のモバイルパソコンとしては、充分すぎるスペックを兼ね揃えています。

Surface Goもそれなりの広色域を実現していますが、比べてみると雲泥の差。グラデーションのムラや、繊細な色の違いなどを、しっかりと確認することができます。

本格的なカラーマネジメントモニタではなため、明るさを変更したときなどに正しい色が出ているかというと微妙なところですが、一般的な業務用パソコンから比べれば、比べるまでもなく自然な発色であるのは明らか。キャリブレーション済みの外部ディスプレイと並べても、色の差が少ないことを実感できます。

モバイルパソコンとしては充分な輝度と色域をサポートしているのは確かですが、過度な期待には注意といったところでしょうか。

😄 時代が追いついた 実用性のある 4K

3年以上前(2016年)に購入した、4K搭載 薄型モデルの「HP EliteBook Folio G1」。

3,840×2,400ドットを搭載した 4K液晶。
4K液晶を搭載したパソコンは、HP EliteBook Folio G1以来ですが、随分と改善され 大きな支障は感じられません。

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あの頃は、ハードウェアと ソフトウェア共に課題がありました。
内蔵グラフィックのみで 4Kを取り扱うには無謀すぎたのと、そもそも Windows側が高解像度の液晶に対応できておらず、スケーリングの機能が貧弱でした。

しかし、Ice Lakeにて大幅に強化されたグラフィック機能によって、高解像度を感じさせない余裕があります。高解像度に対応したアプリも一般的となり、ようやく 4Kの解像度を心底活かしきれる環境が整いました。

従来と比べて作業領域が 4倍ですし、いちいち拡大しなくても細かい文字まで鮮明なのは、本当に便利。高解像度好きにはたまりません。
 

3D版の Google Mapsも ブラウザ版 & 4K という環境にも関わらず、非常になめらかに動作。オリジナルサイズ

大幅に強化されたグラフィック機能は、Photoshopといったクリエイティブな用途以外にも恩恵があります。

例えば、Webブラウザもグラフィック機能を利用して描画(レンダリング)を行っており、ネットサーフィンだけの利用だとしても、強化されたパフォーマンスを十分に感じられます。
Google Mapsでは地図の描画に GPU側が利用されており、拡大縮小も非常にスムーズ。ストリートビューや 3D表示を 4Kの高解像度で行っても、実になめらかに動きます。

尚、一般的な業務パソコンから比べると、解像度が 4倍もあるため、スクリーンショットも必然的に大きくなります。軽い気持ちでスクリーンショットを送ると、やたらとデカい画像を送信してしまうという支障があります。

😄 インターフェースは USB-Cのみだが支障なし

あえて不満を述べるとすれば、左右の USB-Cの位置が微妙に異なることくらい。

New XPS 13 2-in-1はインターフェースが限られており、USB-Cが 2ポートのみ。一般的な USB-Aや HDMIもありません。

HP EliteBook Folio G1も同様のスペックで USB-Cしかポートがありませんでした。やはり HDMIは欲しかったなと、随分と不便を感じた記憶があります。

しかし、あれから利用する用途が変わり、周りの環境も整うことによって、まったく不便は感じません。
むしろ、iPad Proも デジカメも、すべて USB-Cで充電や通信が行えるので、充電器やケーブルの数を抑えることができ、むしろ USB-Cが中心となって便利なくらい。
もちろん、USB-Aや HDMIがあれば利便性が増すことは確かですが、それが選択肢を左右するほど(後悔するほど)ではありません。

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😕 それでも重い 1.33kg

機動性を優先する場合は Surface Go。本格的な作業が不要な場合は iPad Pro。と、必要に応じて使い分けていこうと模索中。

New XPS 13 2-in-1を選択するにあたり、ネックになりやすいのが 1.33kgという重量。
Surface Pro 7と 5mm程度しか大きさが変わらないにも関わらず、重量は 1.7倍。Type Coverを含めても 1.3倍もあります。

1kg以下が基準値となっていた自分にとっては、実に悩ましい重量でしたが、今のところは なんとか持ち運べています。
sRGB 100%の 13.4インチのディスプレイ環境と、サクサク処理できる環境が常にあるという点は素晴らしい。重量対効果を考えれば、妥協できる重さです。

ただ、購入したばかりなので多少のバイアスがかかっている可能性があり、半年も経つと「軽いパソコンが欲しい」とボヤいている可能性は否めません。

😭 さっそく故障した

起動するたびに警告が出るようになってしまった My New XPS 13 2-in-1。泣

さすがは DELLと言うべきか、利用して 1ヶ月で故障しました。

なんだかファンから異音がするなぁ…とは感じていましたが、ついに起動時にアラートが表示されてしまいました。

「この時期ですと 2週間以上はかかります」と言われてしまったので、未だに修理に出していないのですが、スリープからの復旧に失敗することも多いので、仕事が落ち着いたら修理に出す予定です。

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それでも 32GBメモリが欲しかった

アクティブペンが利用できますが、どこまでクリエイティブな用途に耐えられるのかは懐疑的。

説明書は折れてるし、スリープからの復旧に失敗するし、やっぱり故障するし、なんとも DELLらしいマシン。Surfaceの時には感じられないユーザー体験です。

ある程度、割り切って利用するのが吉。
ハイスペックの場合 20~30万円と高額ですが、貯金をしてまで購入するパソコンではありません。Appleの MacBookなどとは、似て非なるパソコンです。

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Ice Lakeの採用。タブレットライクに利用できる 2-in-1、アクティブペンへの対応。DCI P3 90%をサポートする高広色域液晶など、マルチメディアな用途に寄せたモデルですが、パソコンの隅々までを活かしてクリエイティブを発揮できる様子はありません。全体的な作り込みを踏まえると、クリエイター向けではないと感じます。

ものすごい高級な食材を揃えたのに、頼んだ板前が悪すぎて残念な料理に仕上がってしまった気分。

強化された内臓グラフィックに、32GBまで強化できるメインメモリ。筐体の隅々までの大型液晶を搭載し、横幅 300mm以内。まさにコンパクトに持ち運べるワークスペース。多少の不具合には動じない覚悟が必要です。

…と、ネガティブな意見を書いてしまいましたが、個人的にはお気に入り。

少なくとも、このフットプリントで sRGB 100% 4K液晶、第10世代 Core i7、32GBメモリを実現しているパソコンは選択肢が限られるため、購入時の目的は達しています。写真の取り込みから編集もラクラクですし、なにより無駄な待ち時間から解放されたのは大きいです。

気が付いたら、モニタもパソコンも DELLで統一されてしまいました。じわりじわりと、My事務所が DELLに浸食されているようです。

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