2000/06/30の日記

2000年の日記

こんにちは。 岩崎です。

前回ラオックスにDVDを注文していたんですが、またまた帰ってきてから、入荷しましたという電話がかかってきました(泣)。

しかも、明日は学校が休みなので、わざわざ取りに行かなくてはなりません。

こんな事なら、今日CDも借りてくれば良かったですね…。

まぁ、とりあえず明日は松下のDVDレコーダーでも見るついでに、ラオックスにでも出かけるか…。

…とは言っても1人じゃ寂しいからなぁ~…マサキ君は暇だろうか?(笑)

               - * -

光源計算等、従来はCPUが行っていた計算を肩代わりする事で、高速な3DCGの表現力を実現した GeForce256 の最新版、 GeForce2 GTS が前回発表されましたが、そのモバイル向けとして、GeForce2 MX が発表されました!

今までの GeForce は、消費電力もコスト高く、さらにチップサイズも大きい為、モバイルパソコン等への採用は難しかったのですが、この GeForce MX は、GeForce256 を元に、プロセスルールを0.22μmから0.18μmにして、さらに125MHzから175MHzにクロックアップする事で、チップサイズの縮小&発熱量の低下と、 GeForce256 以上の性能を実現したというワケです。

もちろん、価格もかなり安価に抑えられるみたいで、1万円前後になると予想されています。

nVIDIA の発表によれば、GeForce256 と GeForce MX の性能は、ほとんど無いらしいので、この性能が1万円前後で入手できるなら、かなりお得な商品になる事は間違い無いですね。


また GeForce MX は、今までの GeForce には無い2つの機能が追加されています。

1つは、3DCGの画面をより明るく見せる、 Digital Vibrance Control という機能で、この機能を利用する事で、ユーザーが自由に画面の明るさを調節する事ができるみたいです。

もう1つは、1枚のビデオカードで、マルチディスプレイを実現する、 TwinView という機能で、デュアルディスプレイ等の環境を、低コストで建築する事が可能です。


…という事で、低価格という部分だけでも期待の出来る GeForce MX は、早ければ7月末には搭載グラフィックボードが発売されるみたいです。

               - * -

前回『 今日の日記 No.1088 』の最後で、 Transemeta (トランスメタ)が開発している、Crusoe(クルーソー)という、CPUの素晴らしさに気が付き始めたと書きましたが、今日は、その Crusoe というCPUの話をしようと思います。

そもそも Crusoe というCPUは何なのか?という事になりますが、簡単に言えば、高性能な割に安価で、しかも消費電力が極めて低いx86互換のMPUだと言う事です。

x86互換と言うのは、Pentium等と同じ命令で動作する(互換性がある)と言う事で、MPUと言うのは、 Micro Processing Unit の略語で、CPUの機能を1チップに収めた物を言います。


では、一体このCPUの何処が素晴らしいのか?と言う事ですが、それはなんと言っても、驚異的な低消費電力を実現した事でしょう。

その秘密が、LongRun と言う機能で、これを使用する事で、クロック数を200MHzから700MHzまで、使用頻度に応じて動的に変更する事が可能なのです!

例えば、文章を書いている時など、特に高スペックが必要ない場合は、200MHz等を低いクロック数で動作し、複雑な計算が必要になれば、どんどんクロック数を上げて行くというワケです。

Crusoe は、CPUにかかる負担を、なんと1秒間に100回も調べ、随時最適なクロック数に変更しています。
その為に、無駄な消費電力を大幅に抑える事が可能なワケなんですね。

もちろん、周波数の上限や下限はユーザーが自由に設定する事が可能で、いつも700MHzで動作させる事も可能です。


さらに SpeedStep に対応した Pentium3等とは違い、クロック数と一緒に電圧まで切り替える為に、ますます消費電力の低下に成功しています。

何故なら消費電力は、『電圧の2乗×クロック数』という式で求める事ができるからです。

お陰で、消費電力はモバイルPentium3の数分の1と、驚異的な消費電力を実現し、長時間使用できるノートパソコンを開発する事も可能なワケです。


ちなみに、現在 Transemeta から発表されている Crusoe は、ノートパソコン向けの TM5400 と、ハンドヘルドパソコン向けの TM3120 の2種類ですが、 TM3120 は、LongRun に対応しておらず(300/366/400MHzの3種類がある)、プロセスルールも0.22μmとなっています(こちらは既に出荷済み)。

…で、LongRun に対応している TM5400 は、200MHzから始まり、233、266、300、333、366、400、433、466、500、533、566、600、633、666、700MHzまで、瞬時(20μ秒以内)に切り替えることができ、1.1Vから1.65Vまで電圧も変更しています。


さらに、チップ本体の面積もPentium3の106平方mmに対して、256KBのセンカンドキャッシュ等を統合しながら、73平方mmと極めて小さい為に、生産コストが下げられる他にも、発熱量を抑えられるいう利点もあります。

実際、Transemeta が発表したデータによれば、DVDを再生した時の表面温度は、Pentium3が105.5度に対して、 Crusos はたったの48.2度と、半分以下の発熱量を実現しています。

発熱量が抑えられれば、ファンを取り付ける必要も無くなるし、複雑な冷却機構等を考える必要が無くなるので、ますます薄型のノートパソコンを作成する事が可能になります。


この様に、薄いサブノート派の自分にとっては、かなり注目すべきCPUに仕上がっているワケですが、 Crusoe というCPUは、まだまだ特徴的な部分が存在します。

その1つに、ハードウェアとソフトウェアの2つに分かれているという、かなり特徴的な部分があります。

実は、Crusoe はx86互換と言いつつ、x86の命令を直接実行する事ができない為に、コードモーフィングソフトウェア(Code Morphing Software)という、ソフトウェアが、Crusoe が理解できる命令(VLIW)に変換して、x86命令を実行しています。


しかし、毎回毎回命令を変換していたのでは能率が悪い為に、変換した命令を一時的に保存する部分があり、もし、同じ命令が来た場合には、変換済みの命令を実行する事になります。

…とは言っても、そんなに上手く同じ様な命令が来のだろうか?
…と思ってしまうかも知れませんが、実は一般的なアプリケーションは同じ命令が何度も繰り返される事が多く、特にDVDやMP3の再生等は、殆ど同じ命令の繰り返しなので、大部分の命令を変換済みの命令でカバーする事が可能なのです。

さらに Crusoe は、何度も使用される命令を、高速に実行できるように最適化する機能も持っている為、同じ命令を使用すれば使用するほど、 Crusoe のパフォーマンスが上がって行く事になります。


もちろん、ユーザーの使用用途によっては、同じ命令が実行される確立は低くなり、 Crusoe のパフォーマンスが低下する可能性はありますが、現在のパソコンの平均的な用途等を考えれば、同じ命令が実行される可能性はかなり多いと思います。


しかも、このソフトウェアの部分を、インターネットで配布し、アップグレードできるようにする予定で、ソフトウェアの性能が上がれば、さらにパフォーマンスが向上する事になります。


…と言う事で、まさにノートパソコン向けのCPUに仕上がっていますので、是非SONYのVAIOにも採用してもらい、かなり薄いノートパソコンを、作ってもらいたい所ですが、現在のシリーズから考えると、Crusoe を採用する様なノートパソコンは1つもありませんね…。(;_;)

薄さがポイントだったN505が現役であれば、かなり採用される確立は高かったんですが、今じゃ特に薄さにこだっているワケでもなさそうな、SRシリーズになっちゃいましたしね…。

これがキッカケでN505復活!って事も無さそうだし、やはり他のメーカーで考えるしかないんでしょうかね…。


ちなみに、現在 Crusoe を搭載するノートパソコンの販売を予定しているメーカーは、IBMや日立の他、NECや富士通等で、東芝も参入してくる見込みです。

その中でも、悔しいけど意外にも期待できるのがNECで、NECの発売予定のノートパソコンは、かなり薄型で、タッチパッド&タッチパネル仕様と、かなり使いやすい設計になっているみたいです。


…と、ココまで書き終えた所で、さらに凄い情報を入手しました!!
なんと、セカンドキャッシュを今までの256KBから、2倍の512KBにして、さらにクロック数をUPした TM5600 が発表され、さらに、来年の前半には1GHzに達成するというのです!!(゚◇゚;

同じ頃にモバイルPentium3の1GHz版も発表されると思いますが、ハッキリ言ってPentium3の発熱量やチップサイズ等を考えると、サブノートに搭載出来るハズも無く、消費電力の面も含めて、サブノートに Crusoe が次々と採用される可能性がかなり高いです。

そう考えると、今年の末にノートパソコンを購入するのは、かなりタイミングが悪いという事になりますよね。

ハッキリ言って、ココまで鮮明な未来が読めているなら、確実に TM5600 辺りの Crusoe を採用した、サブノートを待った方が絶対無難だと思います。


もちろん、モバイルPentium3が SpeedStepを改良させて、Crusoe の様に、クロック数を変化させる機能になる可能性も考えらるんですが、それには Pentium3の仕様上OSでの対応が必要になってくるし、開発コストもかかってくる等の様々な問題がある為に、モバイル Pentium3が Crusoe の様な LongRun 機能を、本格的に採用してくる可能性は低いです。

もし、実現できたとしても、電圧までの変更は難しいでしょうしね。


…と言う事で、ますますノートパソコンを購入する時期が遅れてしまったので、これからは5月頃に作成するだろう、Win2000搭載パソコンのお金でも貯めていこうと思います。

とにかく、CPUとメモリだけで20万円は軽く突破する勢いですから、パソコンの予算ってのはいくらあっても足りない状態ですからね。(^x^;

せめて100万円くらいは欲しい所です(爆)。


それでは今日はこの辺で失礼致します。^-^/~

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 岩崎 仁(FZK11464@nifty.ne.jp)  2000年 6月 30日 金曜日
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※ 本ページは、テキスト形式で配信されていた時代の過去記事を一括で変換しています。一部、読みにくい部分があるかと思いますが、ご容赦ください。

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